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2024.09.17【特集|若き海保の幹部候補生】練習船「いつくしま」が寄港:新潟出身学生を取材【新潟】

【特集|若き海保の幹部候補生】練習船「いつくしま」が寄港:新潟出身学生を取材【新潟】
新潟出身の学生:大江航平さんに密着
先週、海上保安大学校の練習船『いつくしま』が新潟に寄港しました。乗船するのは、海上保安庁の幹部職員を目指す学生たちです。今回、新潟出身の学生に密着し、実習に取り組む様子や船内での知られざる日常生活を取材しました。

信濃川の河口に広がる新潟西港。先週、広島県にある海上保安大学校の練習船『いつくしま』が寄港しました。長さは約134m、総トン数は5500tで、練習船の中でも最大です。
乗船するのは海上保安官の幹部候補生で、機関科、航海科、情報通信科を専攻する約80人です。学生たちは、国家公務員で給与が支払われています。今回、日本一周の航海実習の途中で、2日に広島を出発し、新潟に寄港、さらに小樽や大阪などを1カ月かけて回ります。

新潟市出身の大江航平さん(20)。船のエンジンや設備を点検する機関科の幹部候補生です。上官の指導のもと、船内にある機械の温度などを点検していました。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「点検をする際は機械の構造を理解して、どのような仕組みで動いているのかをきちんと理解すれば、温度や圧力を見た際に何が異常かというのが分かりやすいので、それを考えるようにしている。」

大江さんは、海上保安官だった父の姿に憧れを抱き、2年前(2022年)、海上保安大学校に首席で入学しました。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「(父とは)時間を多く過ごすことはなかったが、(出張で外に出ていく姿が)重要な仕事なんだなと思って、やはり海上保安官はかっこいいなと思った。」

機関科を専攻した理由は、高校時代から大好きな"物理"に携わるためでした。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「(機械不良の)原因がなにか分かって、対処法をどうすればいいのか、対処をしたときに問題が解決した際に複雑に絡まっていた糸がほどけたような感じになる。」

訓練や実習を行うための装備を備えている『練習船』。特別に船内を案内してもらいました。

■巡視船いつくしま首席機関士 関吉佑亮さん
「こちらが操舵室となります。こちらが舵輪となりまして、船の舵を右に曲げる、左に曲げるときはこの舵輪を操縦して操船することになります。」

船の心臓部ともいえる操舵室。航海科の学生たちは、指導教官とともに船の操船訓練を行っています。さらに操舵室のひとつ下の階に降りてみると、操舵室とほとんど変わらない造りの場所がもう一つ・・・『いつくしま』は、2カ所で船を運転できることが特徴です。

■巡視船いつくしま首席機関士 関吉佑亮さん
「例えば、ここを実習生だけの空間にして、実習生だけがより緊張感を持った中で操船をする。その操船を上の操舵室で教官がチェックする使い方が想定されている。」

また、遠洋航海のときに寄港地の国際交流の場として"多目的室"などが備えられています。
大江さんは、普段の実習で機関科の訓練だけでなく、将来の幹部候補として乗組員に指令を出す訓練も行っています。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「訓練のある日はとても身体に疲労がたまりますし、生活リズムが崩れてしまうこともあるので大変だし、辛い。」


海上保安庁の機動隊とも呼ばれる特別警備隊が、実習生の元に駆け付けました。これから、呼びかけに応じない不審船を停船させる想定の訓練を披露します。2隻で連携しながら不審船を囲み、停止させました。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「将来、(特別警備隊が乗る)特警船に乗りたいと思っていて、身近に働くかっこいい上級生がいるのを見て、励みになった。」

実習生たちを支えるのは、船内での食事『船メシ』。この日のメニューは、"カレー"。調理を担当する職員は、波の状況によってメニューを考えているといいます。

■練習船いつくしま主任主計士 三宅正章さん
「大鍋で一気にできるほうが(鍋が深く)安全ですね、フライパンを使うと(揺れで)危ないことも多いので。」

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「美味しいです。(普段は)疲れがたまるので、しっかり食べて栄養を体にいれないと大事な時に力を発揮できない、いっぱい食べるようにはしてる。」

就寝する居室は、4人部屋の2段ベット。スペースは173cmの身体がぎりぎり収まる程度です。過酷な日常生活を支えているのは、就寝前に聞く音楽だといいます。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「1970年代から2000年代の懐かしい音楽を聞いております。落ち着く曲が好きなので、懐かしい気持ちになります。」

寄港中、大江さんの父で海上保安官の忠則さんが激励に訪れました。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「故郷に寄港できるのは感慨深い。」


1日の終わりは、「お風呂」。同じ機関科の仲間とともに、疲れを癒します。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「デメリットとしては、狭いけど仲間との近さも悪くない。」
■大江さんの同期
「聞いたことは結構教えてくれたりとか助けてくれるので、同期にいてくれてありがたい。」
「(冗談とか言って)面白いですよ。」

国境警備など最前線で任務に当たる海上保安庁。大江さんは、巡視船の整備を通じて、人命救助の役に立てる機関士を目指しています。

■海上保安大学校機関科幹部候補生 大江航平さん
「自分たちが作業が遅れた数秒が人の命に関わることもあるので、予想してなかった状況にも冷静に対応できる指揮官になりたい。」
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