―吉本隆明(よしもとたかあき)さんが亡くなりました―詩人・評論家の吉本隆明氏が3月16日、肺炎のため亡くなりました。87歳でした。3月17日の朝日新聞は一面で大きく取り上げていました。吉本氏は1924年(大正十三年)東京・月島で生まれました。戦時中は「軍国青年」として死を覚悟しますが、敗戦。戦後は一転して「戦争責任」を文学、思想の両面から追求しました。一方で日本社会をあらゆる思想領域から考察し、多くの著作を世に問い続けてきた方でした。
―「吉本隆明のDNA」を読み返す―
2009年7月に発表された「吉本隆明のDNA」は朝日新聞記者・藤生京子氏の著作で、吉本氏と対峙し、その思想や生き方について考え続けてきた6人の方、
姜尚中 上野千鶴子 宮台真司 茂木健一郎 中沢新一 糸井重里 各氏のインタビューで構成されています。
糸井さんは吉本氏の講演会をプロデュースしNHKでその模様が放映されました(2008年7月、NHK-ETV特集「吉本隆明 語る」)。車椅子で声がかぼそく聴き取り辛いのですが懸命に語り続ける吉本さんの姿が強い印象として残っています。
―最近読んだ吉本氏の本「夏目漱石を読む」―
昨年、夏目漱石の本が読みたくなり、「草枕」「門」等を読み、合わせて吉本氏の「夏目漱石を読む」(2008年9月・筑摩文庫)を読んでました。解説で関川夏央氏はこの本をこんな風に締めくくっています(解説文より引用)。
「私は漱石という偉大な作家を持ったことを幸福に思う。それと共に私は、同情心と尊敬心を等量抱きつつ、「夏目漱石を読む」をあらわした吉本隆明を同時代に持つことを得難い幸運だと感じる者のひとりなのである」
―膨大な著作をこれから襟を正して、また少しずつ読んでみようかなと―
「マチウ書詩論」「藝術的抵抗と挫折」「カールマルクス」「擬制の終焉」「自立の思想的拠点」「共同幻想論」「言語にとって美とはなにか」「マスイメージ論」「ハイイメージ論」「夏目漱石を読む」「最後の親鸞」「悲劇の解読」「重層的な非決定へ」「超西欧的まで」「世界認識の方法」「空虚としての主題」「反核異論」「貧困と思想」「私の戦争論」まだまだありますが...。
吉本氏の著作は300冊以上あると云われています。難解で何度読んでもわからない本もありますが、「この世界は何だ?」という問いがある限り、吉本氏の言葉に又、触れたいと思います。
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