
去年何かと話題を集めた事業仕分けが
新潟市でも8月28、29日と初めて公開で行われた。
対象となったのは
今年度予算が1000万円を超える636事業から
若手職員が選んだ30事業。
福祉や教育に直結する項目が目立つということで
共産党市議団が仕分けの中止を求める動きもあった。


今年7月、事業仕分けを控え、篠田市長は「広報、文化、福祉、教育など
さまざまな分野から事業が選定。これまで長期間実施して
当たり前となったものについても委員の皆様からご意見を頂戴したい」と
期待感を示した。しかし、現場からは戸惑いの声も。

仕分け対象の一つとなった銭湯への補助事業。
新潟市では銭湯の経営維持を目的に
年間60万円を上限とした補助金を給付。
また、高齢者の料金を割引する入浴券も交付してきたが
2つとも仕分けの対象となった。
千鳥湯の熊谷孝さんは「入浴料金は物価統制令によって、
県が儲かりすぎずというラインを決めて入浴料金は設定されるので、
もうからないようにできている」と話す。
何とか廃止を食い止めようと署名活動に取り組んでいる。
利用客が減少しているのも事実だが銭湯で一日の疲れを癒す時間を
心待ちにしている常連客も多い。
仕分け人がこちらに来て声をきいてもらえればうれしいが、それがない」

『廃止』『民営化』など6段階で判定する。


仕分け対象の一つ
ヒット曲「千の風になって」にまつわるイベントなどのPR事業について。
「PR効果が弱い」「そのためだけに新潟に来ようという気にはなれない」と話す
仕分け人に対し、新潟市の担当者は「『千の風』だいぶ人気がなくなって歌われなくなったとはいえ、相当の地元の方、楽しみにしている」と説明。
判定では廃止と民営化などに意見が割れた。
そして銭湯を巡る補助金について。
仕分け人からは「銭湯が自助努力せず、自ら首をしめているということはないか」
「20軒の銭湯だけに補助して、他の業種はないのに、その理屈を
市としてどう考えているのか」と辛らつな意見が上がり、
たまらず傍聴人の高齢者
からは「いじめないで」と声があがった。

一方、説明を求められた市の担当者が、銭湯の経営の実態を
把握していないことも明らかになった。
そのような状況で下された結論は「廃止」。
千鳥湯の熊谷さんは憤りを隠さない。


銭湯の補助事業は行政側が補助金なしでは成り立たない仕組みを
作ったような背景もある。
9月3日にはさっそく行政側が銭湯の組合を訪問して、
廃止にしないという説明をした。
仕分けの様子を見ていても、行政側が実態を確認しないまま仕分けに臨んできちんと答えられない印象が強かった。
また、大規模な予算が投じられる建設事業や
2009年に篠田市長の肝いりで開催された「水と土の芸術祭」は
議題に上がらなかった。
9月3日に次期市長選に正式に出馬表明した篠田市長が
触りにくいものを避けたような印象も否めない。

また、仕分け人の、対象事業への知識、現場の調査などを行ったかなど
手法にも疑問が残る。
仕分け結果は、来年度予算を編成するなかで
どう反映させるか検討されていく。
その成果も検討されなければならない。